「適度な飲酒は身体にいい!健康にとってメリットがある!」といった言葉を聞いたことはあるのではないでしょうか?
しかし、近年の研究では飲酒によるアルコール摂取は、少量であれど健康被害を招く恐れがあると言われています。
「アルコールと健康の関係性」については、近年の研究から新たな知見が続々と明らかになっています。
従来「適度な飲酒は健康に良い」との意見が広く受け入れられていましたが、最新の医学的な研究によるエビデンスでは、アルコール摂取による健康面へのメリットに対して否定的な見解が増えています。
飲酒メーカーでもアルコール度数の低いお酒やノンアルコールの飲料が増えてきています。
本記事では、アルコール摂取が体に及ぼす影響を、最新の研究データに基づいて詳しく説明させていただきます。
【目次】
1.少量の飲酒とそのリスク
従来、少量の飲酒が心血管疾患を予防するとの説が広く認知されていました。
具体的には、赤ワインに含まれるポリフェノールが血管を健康に保つ作用があるとされ、適度な飲酒が「善玉コレステロール」を増加させる可能性も示唆されてきました。
しかし、近年の飲酒による健康への影響は、少量であってもリスクがあるという研究報告が増えています。
様々な研究の内容をまとめると、飲酒により感染症、がん、心血管疾患、消化器疾患など、さまざまな疾病リスクを増加させる可能性が指摘されています。さらに、飲酒量に比例して健康被害が増加するとも言われています。
2.過剰摂取による重大な健康リスク
大量の飲酒が身体に悪いことは誰もが理解していると思いますが、改めてこちらの章では、アルコールの過剰摂取による健康リスクについてご紹介させていただきます。
アルコールの過剰摂取が健康に深刻な影響を及ぼすことは多くの研究で証明されています。主なリスクとして、以下の疾患が挙げられます:
がん:
口腔がん、咽頭がん、食道がん、乳がん、肝臓がんのリスクが増加します。特にアルコールを分解する際に生成されるアセトアルデヒドがDNAを損傷することが原因とされています。
肝疾患:
肝炎、肝硬変、アルコール性肝疾患など、肝臓の負担は顕著です。
心血管疾患:
高血圧、不整脈、心筋症などのリスクが高まります。
精神疾患:
アルコール依存症やうつ病、認知症などのリスクが増加します。
特に、日本人を含む東アジア系の人々は、「アルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)」の活性が低い遺伝的特徴を持つ割合が高いため、飲酒による悪影響が強く出やすいと言われています。
つまり、私たち日本人は「アルコールを分解しづらい体質」ということです。
3.日本人特有のリスク
日本人の約半数は、アルコールを分解する酵素(ALDH2)が弱く、飲酒によって顔が赤くなる「フラッシング反応」を示します。
この反応は、体内に有害なアセトアルデヒドが蓄積しているサインです。
特に、顔が赤くなる人は、食道がんのリスクが通常の約10倍に達するとの報告があります。
がんの発症リスクの数字を見ると恐ろしいですよね・・・
さらに、飲酒後に頭痛や動悸、吐き気を感じやすい人も同様に分解能力が低いため、アルコール摂取を控えることが推奨されます。
ノンアルコールの飲料も増えているので、飲み会の場を楽しむ程度にするようにしましょう。
4.世界的なアルコールガイドラインの変化
近年、アメリカやカナダをはじめとする多くの国で、アルコール摂取に関するガイドラインが見直されています。
アメリカでは、1日の推奨飲酒量が女性で1杯(14g程度の純アルコール)、男性で2杯(28g程度)とされていますが、「健康目的の飲酒は推奨されない」という点が強調されています。
カナダでは、2023年にガイドラインが改訂され、「週2杯以下であればリスクは最小限に抑えられる」としながらも、禁酒を推奨する流れにあります。
つまり、「健康でいたいのであればお酒はやめましょう!」ということです。
5.飲酒との向き合い方
アルコール摂取は、生活習慣の一部として楽しみたいと考える人が多いですが、健康を維持するためには、これまでとは同じ考え方ではなく、自身の健康面を考えてより慎重にお酒と向き合う必要があります。
・ 飲酒量をできる限り減らす。
・飲まない日を設ける「休肝日」を実践する。
・ 飲酒が体調に及ぼす影響を注意深く観察し、異常があれば早期に医師に相談する。
「自分はお酒に強い!」と思っていいても知らず知らずのうちに身体を蝕んでいる可能性があります。
特に身体に症状として何かしらの健康被害が生じてから改善するのではなく、症状が現れる前に「お酒に対する考え方を改め行動に移す」ことが、より健康的で豊かな生活につながります。
私自身は、周りのみんなが楽しそうにお酒を飲んでいるのを見て、一時期は楽しそうだな〜と思っていましたが、冷静に振り返ってみると飲まなくても十分楽しめる性格だったので今では「飲めなくてよかったな〜」と思っています。
むしろ、飲んでいる人よりも騒いでいます・・・笑
6.結論:健康的な生活には「控えめな飲酒」または「禁酒」が最善
最新の医学的知見から、飲酒による健康リスクを完全に避けるためには禁酒が最も効果的であることが明らかになっています。
しかし、社会的な交流や個人の嗜好も考慮すれば、適量を守ることがある程度の健康被害を避けることができるでしょう。
しかしながら、飲酒により顔が真っ赤になってしまう人、頭が痛くなったり、気分が悪くなってしまう人は「無理な飲酒」は控えてください。
とりわけ日本人は遺伝的要因からアルコールの影響を受けやすいため、より慎重な飲酒習慣を心がけることが重要です。
医学的根拠に基づいた行動を心がけることで、健康リスクを最小限に抑えつつ、質の高い生活を維持することができます。
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